マイナンバーの管理
マイナンバーの安全管理
マイナンバーは、マイナンバーを用いて行う事務として規定されている手続以外での利用は禁止されています。また、その手続きに関与する従業員以外に知られることも禁じられています。したがって、関係者外にマイナンバーが知られることがないよう、企業は適切な安全管理措置を取ることが義務付けられています。
安全管理措置の具体的な内容については、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に記載されています。
マイナンバーの利用・提供の制限
個人情報を収集する場合には、その利用目的さえ提示すれば、どのような用途であっても問題ありません。しかし、マイナンバーの場合には、利用目的の提示は当然のこと、マイナンバー法にて定められた目的以外での収集を固く禁じられています。また、マイナンバーを収集する際には本人確認も必須となっています。
いったん収集したマイナンバーについては、漏えいしないよう安全管理措置に基づく対策が求められるとともに、仮に親子会社間であっても共有を禁じられるなど、企業外への提供に対しては、法で定められた特別な理由以外は認められていません。ただし、企業内であれば、提示した利用目的の範囲内であれば、提供しても構いません。
マイナンバーの委託と管理
マイナンバーを用いて行う事務手続きについては、外部に委託することが可能です。その際に、マイナンバーの収集及びそれに伴う本人確認作業についても、委託することが可能です。ただし、委託にあたり、委託先に対して、委託元と同等以上の安全管理措置を講じているかどうか管理監督を行う責任があり、万一委託先からマイナンバーが漏えいする等の問題が発生した場合には、委託元にもその責任が問われます。
したがって、適切にマイナンバーを管理できる委託先を選定することが重要となってきます。
マイナンバーの保管制限と廃棄
マイナンバーの保管については、原則としてそのマイナンバーを用いた事務手続が存在することが前提となっています。したがって、その手続を行う必要が無くなった時点で廃棄する必要があります。しかしながら、マイナンバーを記載した書類については、法で定められた期間保管義務があることから、その期間が終わるまでは廃棄せず保管することとなっています。
マイナンバーの収集(事業者)
マイナンバーの利用目的の明示
マイナンバーを収集する際には、個人情報と同様、その利用目的を特定し明示することが義務付けられています。そして、明示された目的以外に使用することは固く禁じられています。仮に、明示していなかった目的が、マイナンバー法で定められたものであったとしても、改めて明示し合意を得なければ、目的の転用は認められません。
したがって、改めて明示する必要のないよう、事前に利用目的を整理しておくことが大切です。なお、企業がマイナンバーを収集できる目的は、ざっくりと以下の通りです。
・源泉徴収票、支払調書への記載のため
・雇用保険関係書類への記載のため
・社会保険関係書類への記載のため
マイナンバーの収集時期
マイナンバーを収集できるのは、原則としてマイナンバーを必要とする事務手続を行う時点です。ただし、新たに雇用する、業務委託契約を締結するなど、近い将来にその事務を行うことが明白な場合には、事前に収集することも認められています。また、毎年源泉徴収票を提出するなど、継続して事務手続きが想定される場合には、破棄してその都度収集するのではなく、破棄せずに保管し続けることも可能です
マイナンバーの本人確認
マイナンバーを収集する際には、その番号が本人のものであることを保証するために、本人確認(番号確認及び身元確認)を行うことが義務付けられています。本人確認を行うには、原則として以下のいずれかの方法となります。
(1) 個人番号カード(番号確認と身元確認)
(2) 通知カード(番号確認)+運転免許証など(身元確認)
(3) 個人番号の記載された住民票の写しなど(番号確認)+運転免許証など(身元確認)
ただし、雇用関係にあるなど確認する者にとって明らかに本人であることが分かっている場合には、身元確認を省略することも認められています。なお、本人との対面による収集ではなく、電話、郵送、オンライン等での収集の場合や、代理人からの収集の場合には、それぞれ所定の確認方法が規定されています。
扶養家族のマイナンバー取得
企業は、源泉徴収票や社会保険手続などのため、従業員の扶養家族についてのマイナンバーを収集する必要があります。ただし、その本人確認を行うべき者については、対象となる手続によって異なります。
(1)税関係の場合
従業員が事業主に対して扶養家族のマイナンバーを提供するものと定められていることから、その本人確認義務は従業員自身が負うことになります。
(2)社会保険関係の場合
第3号被保険者(配偶者)の届出については、配偶者自身が事業主に届け出るという形態であることから、事業主に本人確認義務があります。ただし、一般的には、従業員が自分の配偶者の代理人となり届け出ることから、代理人からの収集の場合の本人確認方法(代理権の確認、代理人の身元確認、本人の番号確認)を取る必要があります。
マイナンバーの変更があった場合
マイナンバーが漏えいするなどにより、マイナンバーが再交付される場合がありますが、再交付されたこと自体は本人のみに通知されます。したがって、再交付されたマイナンバーを改めて本人から収集する必要があります。
ただし、本人からの申告がない限り、企業側はその事実を知らないことから、定期的に変更の有無を確認するなどの対応を行うことが望ましいです。
サービス概要
岐阜マイナンバー相談事務局では、以下のサービスを取り扱っております。
(1)マイナンバー診断サービス
マイナンバー制度の導入により、ほとんどの企業が対策を迫られています。従業員数によって対策への軽減措置があったり、社内業務・システムの状況によって対策内容が変わるなど、対策は企業により異なります。そのため、対策の必要性が分かっていても、どこから手を付ければ良いかの判断が難しいのです。
当局では、お客様の社内のマイナンバー対応状況を診断し、問題点や現状に合った対策案を提示いたします。個人情報保護士の資格を持ち、ITにも精通し、企業法務と労務の専門家でもある代表自ら診断をしますので、対応コストも踏まえた漏れのない対策案をご提案します。
(2)マイナンバー研修会講師派遣サービス
事業者はもちろん、従業員もマイナンバーを正しく理解する必要があります。マイナンバー導入における一番のリスクが、「個人情報の漏えい」だからです。もっとも多い漏えい原因は、従業員によるものです。いくら社内業務やシステムの対策をしても、それを扱う人が重要性を理解していなければ意味がありません。従業員が正しい知識を持ち、安全に管理する意識を持つことがもっとも有効な対策なのです。
当局では従業員・実務担当者向けに、「マイナンバー制度の概要」「従業員の責務」「やってはいけないこと」「留意事項」などを教育いたします。個人情報・社内労務・ITのプロが、知っておくべきことをプロの視点で研修いたします。
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